砂食べる子・土舐めるシニア・そして遠隔…??? 2021年10月12日
JEMはシニアの集まり。
だから、孫の話をしだすと切りがない。
孫の世話にも余念がない。
これまでは聞き役だった私も、この夏は孫で始まり、孫で終わった。
娘が第二子の出産のため、6月末に1歳半の長男を連れて帰省。
7月中旬に無事女の子を出産。
ここから私と女房との苦戦の日々が始まった。
長男はなんたってじっとしていられないから、近くの公園に頻繁に連れ出す。
定番遊具の、滑り台、ブランコ、ジャングルジム等々あれど、我が孫のお気に入りは砂場である。爺としては砂場に入ると砂だらけになるので止めてほしいが、長男は大好きだ。砂場は他の遊具に比べれば安全なのだが、目が離せない。何故か?大人しく遊んでいると思っていると、何と、砂を食べている。味ないだろっ?止めなさい!
そう言えば、大人でも土を舐めていた人が居た。
先輩のダムエンジニアが、アースフィルダムの現場でコア材の土を舐めていた。
掴んで、握って、舐めて、「良い土だ」などと言ってたっけか。
良い土とはどんな味がするのか?
先輩土木屋がやっていた土の感触や味?の吟味は、エンジニアがそれぞれ自分なりの方法で見出した品質管理手法なのだろう。
若かりし私はなんだか良く分からなかったけど、真似して土を握ってみたりして、その感触を分かった風なふりをした。
大きなダム現場の岩と土。山岳トンネル現場の砂と土。アラブ諸国の粉のような砂。いろいろな現場でいろいろな土砂に触って、大人になっての「お砂遊び」から学んだ経験工学は、あの感覚と臨場感抜きには得られないものだ。我が社のシニアエンジニアが現場で舐めてきたのは、土と砂と、それから多くの辛酸だったかもしれない。
今日(2021年10月12日)、我が社が商標出願していた「遠隔エンジニアリング」が審査合格したとの連絡があった。
新型コロナウイルス感染症が発生以来、世の中「遠隔」流行りとなったが、JEMはコロナ騒ぎが起こる前から遠隔でのエンジニアリング業務のモデル化に取り組んでいた。
「遠隔エンジニアリング」は、現場に誰も行かずして何もかも遠隔地から業務を行うものではない。現場に行かなければ分からないこと。状況、実態、空気は現場に行かねば分からない。その一方で、現場に行かなくても出来ることは遠隔地から行う、現場に張り付く時間を短縮する、専門家による短期的な検証・判断を遠隔地から行う、と言ったモデルである。そこではシステムやディバイス等のITをツールとして駆使するが、それらはあくまでも付帯設備。ツールは日進月歩で進化し、臨場感の復元も見事であっても、使いこなすエンジニアに現場を思い描ける経験と想像力が無ければ役に立たない。それは施工技術だけでなく、環境配慮、安全、文書管理も同じ。遠隔エンジニアリングは、言わば土の味は現地でしか味わえないのを分かったうえで、その感性を持った人間の現場経験と肌感覚があってこそ使えるモデルである。
やっぱり男は大人も子供も砂場が好きなのだ。孫と公園の砂場に行くと、子供を連れてきた若いお父さんが、始めは子供のために作っていたのが、次第にお父さんの方が一生懸命になっている。高速道路を作ったり、川を作って水を流したり、ダム作って水を貯めたりと。工具もかなり良いものを持っているし、ダンプやクレーンの玩具まで持ち込んでいる。凄い。しかし、、、爺としては、汚れるし砂を食べるから砂場は避けたい。砂より美味しいものは爺が買ってあげるから、LINEの遠隔なんかではなく、また遊びにおいで。
【藤岡】